1回でも便潜血検査で「陽性」と判定されたら、必ず大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けるようにしてください。便潜血検査で「陽性」と判定された方に大腸カメラを行うと、約60%の方に治療すべき病気が見つかるというデータがあります。「もともと痔を持っているから」「肛門が切れただけだろう」と理由をつけて精密検査を受けない方が少なくありませんが、とても危険なことです。肛門が切れたのと同時にもう少し奥にあるポリープやがんから出血している可能性も否定することはできないのです。便潜血検査で「陽性」になったのは、がんを見つけるチャンスをもらったようなものです。無症状であっても保険診療として大腸カメラを受けられるとても良い機会だと考えていただくといいかもしれません。
詳しくは「便潜血検査」について記載している次ページを参照ください。
当院では、鎮静剤を「使用する・しない」に関わらず、なるべく痛みや苦痛を感じずに検査を受けて頂けるように配慮しております。できる限り腸管を伸ばさないように丁寧に内視鏡を挿入したり、鎮静剤を適切に使用したりすることで、ほとんど苦痛を感じなくて済むようにしています。安心して検査を受けてください。
大腸カメラを受けていただくには事前診察に来院していただく必要があります。事前診察では、症状をお聞きして全身状態や排便状況を確認させていただき、内服薬などの確認をした上で緊急性がないかどうか、安全に検査を受けていただくことができるか、などを確認し、検査準備の説明をスタッフから行います。事前診察の予約はホームページからでもお電話でも可能ですが、大腸カメラの日時は事前診察を受けていただいた後に院内で確定します。
安全に検査を受けていただくための手順ですのでご理解いただきますようお願いいたします。
ネットなどで内視鏡検査について検索した際に出てくる「麻酔」というのは「鎮静剤」のことです。当院では、検査による苦痛を可能な限りゼロにできるように、また嘔吐反射などを抑制して精密に観察できるように、ご希望があれば鎮静剤を使った大腸内視鏡検査を実施しています。大腸カメラの場合は、ご希望次第で鎮静剤を使用せずに検査を受けていただくことも可能です。
事前診察、スタッフからの検査説明の際にご相談ください。
何らかの困っている自覚症状がある方に対して、「その原因を調べる必要がある」と医師が判断した場合は保険診療として大腸カメラを受けることができます。
一方、「家族が癌になって不安なので検査したい」「年齢的にそろそろ受けておきたい」などの理由では保険診療による内視鏡検査は認められていません。
病気ではない方(≒症状がない方)は自費負担による検査となりますが、当院では無症状であっても検査を受けておきたい方のために「内視鏡ドック」を行っていますので、是非ご利用ください。
3割負担の場合、大腸カメラでかかる費用は7,000〜8,000円程度です。病理検査が必要となった場合は10,000円~17,000円程度、ポリープ切除(日帰り手術)が必要となった場合は26,000~35,000円程度かかってきます。(すべて保険診療で定められている保険点数となります)
内視鏡ドック(健診としての大腸カメラ)は27,500円(税込)です。内視鏡検査の所見から病理検査が必要と判断された場合、その分の検査費用に関しては保険診療となり、ポリープ切除(日帰り手術)を行った場合はすべて保険診療に切り替えとなります。
事前診察で来院いただいた際には説明文書もお渡しします。
大腸カメラの場合、検査そのものの時間よりも準備に時間がかかります。
検査前日は食事の制限を守っていただいた上で、夜に下剤の内服をしていただきます。
検査当日は4~5時間前(こちらから指示します)から腸管洗浄剤を服用する必要があります。
腸管洗浄剤を自宅で服用するかクリニックで服用するかによって院内滞在時間は異なりますが、大まかな時間の目安は以下の通りです。
それぞれ順番待ちがありますので日によって前後しますが、検査準備から会計までで2時間前後は確保しておいていただければと思います。
検査の際に鎮痙剤や鎮静剤を使用する場合がありますので、検査当日の車・バイク・自転車のご自身での運転は控えていただくようお願いしています。鎮静剤の効果が遷延してしまったり、鎮痙剤の作用で目が霞んでしまったりするため、安全性を優先しての判断です。ご理解いただきますようお願いいたします。
検査結果は、検査終了後しっかりと覚醒されてから、実際の写真を診察室のモニターで見ながら分かりやすく説明させていただきます。
組織検査を行った場合は、1~2週間後に改めてお知らせ致します。
(組織検査結果に関しては、診察に来ていただくか郵送で対応しています)
切除が望ましいポリープを認めた場合、基本的にはすべてその場で切除(日帰り手術)を行います。個数が多すぎる場合は2回に分けて切除することもあります(半年~1年後)。日帰り手術で対応するにはリスクが高いポリープ(サイズや形による)を認めた場合、大腸がんを認めた場合などは、連携している専門病院に紹介させていただきます。