以下のような症状がある場合、逆流性食道炎の可能性があります。 逆流性食道炎のことをもっと詳しく知りたい方はこのページをぜひ最後までお読みください。
専門的な検査や治療を希望される場合は、ネットか電話でご予約ください。
かかりつけの先生や耳鼻科の先生から胃カメラを勧められたという方は、胃カメラの予約をお取りいただければ当日検査の前に診察させていただき、そのまま検査を受けていただけます。
胃液などが食道に逆流して食道に炎症が起こることで、胸やけなどの不快な症状が出る病気です。別の呼び方で「胃食道逆流症」と呼ばれることもあります。
見落とされがちな大事な点は、典型的な逆流性食道炎と思われるような症状があっても、内視鏡で検査しても明らかな食道の炎症がみられない場合も少なくないという点です。このような状態は「非びらん性胃食道逆流症」と呼ばれています。実際に『胸やけがあるため内視鏡検査を受けたけど医師に「食道は綺麗で異常はありません」と言われて困惑した』という患者さんは結構いらっしゃいます。これが「非びらん性胃食道逆流症」であり、立派な逆流性食道炎の仲間です。
ただし、典型的な症状であるため逆流性食道炎だと思っていても、胃内視鏡検査をしてみると食道がんや好酸球性食道炎や食道アカラシアなどの他の病気が隠れている可能性もゼロではありません。 自分で診断せず、必ず専門医の検査と診断を受けるようにしましょう。
食道と胃の間に存在する下部食道括約筋(図)の働きが弱まって胃酸の逆流を防ぐ機能が低下したり、胃酸が増えすぎたりすることで起こります。 また、以下のような要因が逆流性食道炎の症状を悪化させると言われています。
高脂肪食、高タンパク食、食べ過ぎ、甘いもの、刺激の強いもの(胃酸の分泌量が増えるため)
アルコール過量摂取(下部食道括約筋の機能低下、食道の動きの低下)
喫煙(ニコチンが胃酸の分泌量を増加させるため)
(加齢とともに噴門部括約筋の機能低下、食道の動きの低下が起こるため)
前屈みの姿勢、肥満体型、腹部を締める服装、食事後すぐに横になる、
右側を下にして寝る、など
(物理的に胃から食道に逆流しやすくなるため)
胃の手術 [胃全摘や胃部分切除]・・・腸液(胆汁酸)が逆流するため
食道裂孔ヘルニア・・・胃液の逆流防止機能が失われるため
機能性ディスペプシア・・・胃の蠕動機能低下による胃液の逆流のため
検査前の診察(問診)にて症状を確認した上で、胃内視鏡検査(胃カメラ)を実施します。 当院では、個々の患者さんに合わせて適切な鎮静剤を使用し、痛みや苦痛を最小限に抑えた胃内視鏡検査を行っておりますので、安心して受診ください。
また、当院では、粘膜のごくわずかな変化も見逃さないよう、最新の内視鏡システムを使用し、特殊な光と拡大機能を駆使して正確な診断を行っています。
逆流性食道炎に伴う合併症として代表的なものは「バレット食道」と「睡眠障害」です。
本来食道は胃酸の刺激にさらされない粘膜で覆われています。胃酸が繰り返し食道粘膜側に逆流することで、食道と胃の境目にある食道粘膜が胃酸の刺激に強い円柱上皮(胃粘膜に似た上皮)に覆われてくるのが「バレット食道」です。シンプルに考えると、胃酸の刺激から食道を守る防御反応のようなものです。 「バレット食道」とネットで検索すると、「食道腺がん」のリスクをかなり強調する記事が多くヒットしてきますので、とても心配して相談されることがよくあります。
日本人の「バレット食道」はかなり狭い範囲にとどまることがほとんどであり、そこから発生する食道腺がんは日本人にはそれほど多くありません。内視鏡検査で厳密に診断しようとすれば、バレット食道はかなりの頻度で見つかってきます。適切に定期チェックを受けていただくことで十分なケアが可能ですので、「バレット食道」と診断されても過度に怖がらずに当院にご相談ください。
寝つきが悪い、夜中に何度も目を覚ます、寝不足になり日中に眠気に襲われる、などといった症状はすべて「睡眠障害」と診断されるものです。
横になることで物理的に胃側から食道側に胃酸や食べたものが逆流しやすくなるため、逆流性食道炎の症状が強まり、睡眠が阻害されるために起こります。適切な逆流性食道炎の治療を受けたり、背中にクッションなどを入れて上半身を少しおこした状態で休んだりすることで症状は軽減することがあります。
症状が強ければ当院にご相談ください。
胃食道逆流症の治療の中心は「生活習慣や食習慣の改善」と「内服治療」となります。
以下のようなことに気をつけてみてください。これだけで症状が改善することもあります。
生活習慣・食習慣の改善を試みても症状が軽減しない場合や、症状が強く早期の症状改善が必要な場合はお薬による治療を行います。 胃酸分泌を抑制する薬、胃の蠕動運動を促進する薬、食道の粘膜を保護する薬、などが主軸になりますが、それでも改善しない場合は漢方薬なども使用して症状を軽減します。
逆流性食道炎と一口に言っても、患者さんによって症状や原因は様々です。また、効果が出る薬もかなり差があります。治療を開始してもすぐには良くならない場合も少なくはありません。当院では、患者さんの症状を細かく聞き取りしながら、個々の患者さんに合うような生活指導・内服薬を選択しています。 慢性的な症状で悩んでいる方はお気軽にご相談ください。
胃食道逆流症については専門医を受診していただくのが大原則ですが、スケジュールの関係などで「受診するまでの間が辛い」という場合もあると思います。
そのような場合に限っては、受診できる日までは市販薬で乗り切るのもアリだと思います。
薬局で市販薬を探す場合は、「胃酸の分泌を抑える」効果を謳っている商品や、適応症状に「胸やけ」「げっぷ」「胃もたれ」などと記載されている商品をお買い求めください。
繰り返しますが、市販薬で急場をしのぐのはあくまで姑息的な手段です。
自己診断のみで終わらせるのは非常に危険な場合もありますので、必ず専門医の診察や適切な検査を受けるようにしてください。
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