咽頭(のどの奥)や食道は扁平上皮という粘膜に覆われています。扁平上皮という粘膜が存在する部位に発生する良性腫瘍の一種です。胃カメラ検査を受けた際に咽頭乳頭腫や食道乳頭腫と診断された方も少なからずいらっしゃると思います。この記事では、咽頭乳頭腫・食道乳頭腫について詳しく説明します。
逆流性食道炎、刺激の強い食事、喫煙やアルコール摂取、ヒトパピローマウイルス、などとの関連が報告されているようですが、明確な原因ははっきりとは分かっていません。
小さい病変が多いため基本的には無症状です。胃カメラを受けたときにたまたま見つかることがほとんどです。
胃カメラを挿入していく際に咽頭や食道を通過するため、それらの部位を詳しく観察しながら入っていきますので、その際に見つかることがほとんどです。
乳頭腫の形は大きく分けると2パターンがあり、イソギンチャクのようなもの、松笠(マツボックリ)のようなものがあります。
形や大きさによっては、他の病気と鑑別するために生検(組織の一部を採取すること)を行い、病理検査によって診断を確定することもあります。
生検すると完全になくなってしまうサイズの病変も多いのですが、基本的には病的意義がない疾患ですので切除したりする治療は不要です。乳頭腫と診断されても特に心配する必要はありませんのでご安心ください。
以上が、咽頭乳頭腫・食道乳頭腫についての基本的な情報です。過度に不安になることなく、医師の指示に沿って定期的な検査を受けていくようにしてください。
咽頭乳頭腫
食道乳頭腫