一般的に内視鏡検査における精密検査(二次検査とも呼ばれます)とは、健康診断や人間ドックの際に受けるバリウムの検査や便潜血検査などで異常が見つかった際に「治療を必要とする病変がないかどうか」を胃カメラや大腸カメラで精密に検査することを意味します。
当院は胃がん検診や大腸がん検診の二次検査医療機関に指定されていますので、胃カメラも大腸カメラも精密検査という位置づけの検査を受けていただくことが可能です。
健診や人間ドックで異常を指摘されていない方でも、当院で検査を受けていただくすべての方に精密検査レベルの検査を提供していますので安心して検査を受けてください。
バリウムの検査や便潜血検査で「要精密検査」と判定されたということは、治療を要する病気がある可能性がある、という事を意味します。これを放置してしまうことは折角早い段階で発見することができる可能性がある病気を見つける機会を逸してしまうことになります。
「経過観察」という判定であれば精密検査を受けていただく必要はありませんが、「精密検査」という判定であれば必ず精密検査を受けていただくことをお勧めいたします。
便潜血が陽性となった方の中には、「便潜血検査をもう一度行ったところ陰性だったから精密検査は受けなくていいと言われました」という方が残念ですが少なからずいらっしゃいます。2回法は、大腸がんがあっても常に出血しているわけではないため、僅かな出血でも見逃さないようにと考えられた方法です。1回でも便潜血検査が陽性と判定されたら、必ず大腸内視鏡検査を受けるようにしてください。折角の早期発見の機会をみすみす逃してしまうことになります。
便潜血検査が陽性となった方の約5%の方に大腸がんが見つかるとされています。また、80%ぐらいの方に痔が見つかります。その他、大腸の疾患では大腸ポリープ、大腸憩室症、大腸炎などでも陽性となります。便潜血で陽性反応が出たからといって、過度に心配する必要はありませんが、決して放置するのではなく、きちんと検査を受けて、何が原因であるかを確認しておきましょう。
当院では、問診によって便の状態や排便習慣をお伺いした上で、適切な検査をご案内するようにしております。
健康診断で受けることが多い消化管の検査はバリウムの検査と便潜血検査です。
「要精密検査」と判定される異常で頻度が高いものは以下のような所見です。
<バリウム検査>
胃壁不整、慢性胃炎、胃隆起性病変、胃陥凹性病変、ニッシェ、粗造な粘膜など
※これらはすべて慢性胃炎、胃がん、胃粘膜下腫瘍など、治療の必要性を検討する必要がある疾患を疑われている所見ですが、「要精密検査」ではなく「経過観察」という判定であれば一般的にはすぐに胃カメラを受けていただく必要はありません。
<便潜血検査(2日法)>
2回とも陽性、あるいは1回だけ陽性
※どちらであっても取扱は同じで、大腸カメラでの精密検査が必要です。
必ず健康診断や人間ドックで「精密検査」を指示されていることが分かる書類を持参ください。どの部位で何が疑われているのか分からない状態では精密検査ができません。
結果報告用紙や紹介状など、受け取られている書類をすべてご持参ください。
必要な精密検査の内容が確認できれば当院でそれに合わせた精密検査を受けていただくことになります。内視鏡検査を受けていただいた後、検査の結果を診察室で画像をお見せしながら説明いたします。
異常を指摘されている部位に関しては、詳細に観察した上で必要に応じて生検による組織検査やポリープ切除などを行います。組織結果については後日報告となります。
精密検査として受けていただく胃カメラ、大腸カメラはすべて保険適用となります。
必要な費用は胃カメラ・大腸カメラそれぞれのページを参照ください。